働き方改革(著者:㈱ワークライフバランス、小室淑恵)

株式会社ワークライフバランス、小室淑恵社長が書かれた「働き方改革(生産性とモチベーションが上がる事例20社)」で挙げられている企業のような考え方にならないと、これからの企業は業績も上げられない、人も集まらないようになってしまうのではないでしょうか。

著書の中で、

「働き方改革は企業の生産性ばかりが注目されますが、社会の働き方改革の行く先には、夫婦間の信頼関係が再構築され、家庭内の幸福度が大きく引きあがり、子供たちを包み込む空気が変わることをしみじみと実感しました。」

と書かれているとおり、本当の働き方改革とは、企業の業績ばかりでなく、組織を構成する人達の考え方や生活までも変えてしまい、引いては少子高齢化など日本社会が抱える問題までも少しずつ解消の方向に変えてしまう、そのような凄く重要なテーマなのではないかと、個人的には考えています。

成功事例の紹介

著書の働き方改革の中で、全社レベルで働き方改革を行って生産性向上、社員のモチベーションアップに繋がった事例が20社紹介されているので、その内のいくつかをピックアップ致します。

三菱地所プロパティマネジメント株式会社の事例

全社平均16%の残業を削減しながら中期経営計画を前倒しで実現、削減した残業代8,000万円は全額社員に還元。

まずは社長が先頭に立って「働き方改革によって削減できた残業代は社員に還元する!」という号令の下改革がスタート。

・全員が月1回以上の有給取得を目標に掲げたチームで、「取っていい」から「取るのが当たり前」という雰囲気に変わった。

・全社導入が課題だったフレックスタイム制度を導入し、客先への直行直帰も有効活用することで飛躍的に残業を減らし、プライベートに余裕が生まれた。

など、少しずつ成果が出始め、それが徐々に社内全体に浸透、「ワークスタイルチャレンジ表彰制度」というものも創設され部門一丸となって取り組む事への表彰・インセンティブも支給されるまでになり、社員のモチベーションも高く維持される組織に生まれ変わりました。

株式会社エムワン

社長が変わり、人事が変わり、現場が変わった。

地方の調剤薬局が採用エントリー数は約5倍に上昇

★全員で目指したいゴールイメージは「全員の有給消化100%」

・マニュアルを作成することで属人的業務を排除⇒管理職以外の社員も店舗全体の運営を意識した業務に変化。

・「休みが取れたらしたい事」を社員同士でざっくばらんに共有しあい、有給取得への意識を高める話し合いを行い、マニュアル作成の効果も相まってハネムーンで利用、一般用医薬品販売の資格である「登録販売者」を取得する社員も増え、プライベートも仕事も充実という社員が増加。

⇒その結果、

有給の取得が前年に比べて352%(取得数5日だったのが17~18日なる感じ)、一般用医薬品売上は前年比230%と、急変化と急成長。

その後、同社の結婚数は2倍、出産数は2.5倍、出産のための退職者はゼロと、少子高齢化対策としても大貢献を果たしました。

さらに、このような取り組みを会社説明会でPRすることでエントリー数は前年33名からイッキに5倍の169名に上昇、良い人材も獲得しやすい企業へと変化を遂げました。

というような事例が20社挙げられていますが、どの企業・組織の事例も参考になることは多いと思います。

ワークライフバランスコンサルタント養成講座

私も以前、株式会社ワークライフバランスが主催されているワークライフバランスコンサルタント養成講座を受講させて頂きましたが、意識の高い人達が集まっての授業とグループワークは大変勉強になるものでした。

一般企業の経営者の方・役職者の方・お勤めの方(人事総務や経営企画だけでなく営業の方なども)、社会保険労務士など仕業をされている方など、様々な職種の方々が集まって、自身の業務に活かすためというだけでなく、組織のため・社会のためという目的で真剣に学びあえる環境はとても刺激を受け、毎回の授業で参加型のワークもあり、自分自身の今後の業務にも生かせる知識や経験を積むことができました。

どの職種の方が聞いても参考になる内容だと思いますので、

・チームの生産性を上げたい

・組織の無駄を省きたい

・残業を減らしたい

・トップや社員の意識を変えたい

などとお悩みの方は、受講する価値はあると思います。

働き方改革 養成講座|働き方改革ならワーク・ライフバランス

各個人の意識の変化こそ組織や国を動かす原動力に

例えば残業時間の削減というテーマを考えた場合、会社から残業を無くせと言われていきなり無くせるものでもなく、顧客対応や期限を守るがために必要な残業もあるので、一概に残業が悪いと言う事はできないのですが、毎日10時間、11時間、13時間などを超える長時間労働は効率も下がり、逆に生産性を下げる可能性は否めないので、やはり残業を減らす工夫は必要だと思われますが、ここで必要な工夫こそ、実は現場で働く従業員当人達が考えなければならない事なので、惰性で仕事をするのではなく、

「もっと良い方法は無いか」

「これってもしかしたらやらなくても良いかも」

など常に頭の片隅に置いて従業員各人が考え続ける事こそが、

業務効率化、生産性の向上、残業の削減、自分時間の確保などにつながり、

個人のレベルでは、自己啓発・自己研鑽などへの時間投資、趣味を楽しむ時間や家族と過ごす時間の充実などにつながり、さらには理想のワークライフバランスの実現ウェルビーイングの向上につながっていくのではないでしょうか。

私が勤める会社では制度はそれなりに整っているので個人的には満足

私が勤める会社は以下のような制度は整っているものの、有給消化率は100%には程遠いですし、コアタイムを過ぎた後も10割(100%)の社員が仕事はしていますし、社員数は20人程度のため育児休暇も大企業の方達のように一年間フルフルで取得というわけには行かないのも現実。

無駄の削減と言う点でもまだまだ効率化が進んでいない部分も多々あるので、特に会社全体の業務フローの最適化やダブリ業務や類似業務の排除などを更に進めていかなければならないと感じている次第です。

ちなみに我が社では以下のような制度が

・在宅勤務制度(リモートワーク)は比較的有効活用されている感じで、職種や業務状況に応じて週に1日出社という人もいれば週に2~4日出社している人もいたりして、職種に応じた働き方によってパフォーマンスアップには貢献している制度だと思います。

・フレックスタイム制度は各自自由に活用できるので有難いですね(私は出社ンの場合も在宅勤務の場合も仕事始まりは大体10時です)

・有給休暇については上司が取るタイプの人、取らないタイプの人かによって取りやすさも変わってくると思いますが、当社の場合は消化率は100%では無いですが、全体として必要な有給休暇はそれなりに各自取得できています。

・時間単位年休(1日休・半休に加えて、1時間単位で有給休暇を取得できる制度)も前年度から導入しましたが、在宅勤務中に2~3時間病院に行ったり、個人的な用を済ませたり、家族の病院の送り迎えをするなど、チョットした用事を済ませる事ができるので、個人的には時間単位年休は非常に有難い制度です。 ・冬休みが長い(本社がヨーロッパという事もありクリスマス辺りから休暇に入ってしまう人が多く、本社の業務が止まってしまえば当然日本の業務も滞ってしまうので、冬期休暇は毎年12月の23日、24日ぐらいから翌年4日、5日ぐらいまで10日以上は頂けているので、外資系企業ならではの有難い長期休暇ではないでしょうか)